高齢者と家族の健康な食生活をサポートする食事アドバイス
人の身体は食べたもので作られています。
特に高齢者の食事は健康と生活の質にも直結するのに対し、
年齢と共に食欲も減退したり、 嚙む力や消化力も衰え始めるので
なおさら食事の内容には気を配らなくてはいけませんね。
家族の負担をできるだけ省きながら、 栄養豊富な料理を家族と共に美味しく戴く。
その為のアイデア等をこちらではお伝えしたいと思います。
高齢者の健康につながる食事の基本
栄養バランスの取れた食事は、病気の予防はもちろん 精神的にも安定します。 特に愛情のこもった手作り料理は その働きが大きいですね。 高齢者がいらっしゃるご家庭の食事は、 どのような事に気をつければ良いのかについて みていきましょう。
食事の内容
年齢を重ねると、どうしても消化機能も衰えがちです。 その上に 噛む力も弱まる為、できるだけ柔らかいものや 消化の良い食材を選ぶ必要があります。 ただ、ご家族の食事と別に作る…となると大変なので、 スティックミキサーなどで 高齢者の食事だけ 細かく砕く等、 できるだけ手間をかけずに 対応できると良いですね。 脂っこい料理の場合は、 食後に生のパイナップルや梨、キゥイフルーツなど 消化を助けてくれるフルーツを摂るのもお勧めです。 後は、できるだけ水分と一緒に食事を摂られると良いですね。 汁物やスープ等、 具沢山にしてしっかり柔らかく煮込んだもの等を 用意しましょう。
食事の環境
食事する時は 内容も大切ですが、周りの雰囲気や 見た目も 消化力や食欲に影響します。 一人で食事するのと、大勢で楽しく食事するのでは、 食事の楽しみも違ってきますね。 できるだけそのような環境づくりを心がけるようにしましょう。 また、盛り付け方ひとつにしても、見た目の印象は変わります。 全体的に茶系の料理だと、器を華やかな色にする。 野菜の色を利用して グリーン、赤を料理に入れるようにするなど、 色の組み合わせだけでも、美味しそうな見せ方ができますよ。
食べやすくする調理のポイント
同じ食材でも、切り方や調理の仕方によって 食べやすさが全く違ってきます。 今迄普通に食べていたものが 喉を通らなくなったり、 味覚が変わる事もあるそうです。 どういった事に気をつければいいのか、についてみていきましょう。
噛みやすくする
普通なら、歯で嚙みちぎれる所、高齢者にはその力がない場合もあります。 肉なら叩いて繊維を断ち切る。 野菜なら細かくみじんきりにしたり、固い皮は取り除く、 また 柔らかく煮るなどの工夫が必要ですね。 根菜類等を使う時は、切る時に繊維を断ち切る方向で切られると良いですよ。
画像のように、野菜は大抵 繊維が縦方向になっているので、 横に切ると 繊維を断ち切る切り方になります。 ごぼう等、固い根菜を使う時も 柔らかく煮るか、細かなみじん切りにすると 戴きやすくなりますね。
飲み込みやすくする
パサパサしていたり、食材が固いと どうしても飲み込みにくく、 喉に詰まらせたり、むせる原因になってしまいます。 固いものは、歯茎で簡単につぶれるくらい柔らかく煮る、 ミキサーにかける等の工夫をしましょう。 また、片栗粉等でとろみをつけたり、ゼリーや寒天で固める等、 ちょっとひと手間で 戴きやすさも随分違ってきますよ。
高齢者に喜ばれる 食事レシピ
前述のように、高齢者にはできるだけ食べやすくする工夫と、 見た目も大切にしたいですね。 かといって、他の家族の食事を別につくるとなると大変なので、 主材料を変えるだけで 家族のニーズにもマッチするメニューをご紹介します。
白身魚と里芋の味噌グラタン
【材料】 2人分
油…大1/2
白身魚切り身(一口大)…2切れ
(又は鶏もも肉(一口大)…1/2枚)
白ねぎ(小口切り)…1/2本
しめじ(粗みじん切り)…1/2パック
バター…大1
小麦粉…大1
豆乳…300cc
赤味噌(八丁味噌)…約20g
里芋…約150g
チーズ…適宜
青ねぎ(小口切り)…少々
【作り方】 1.里芋は良く洗ってラップしてレンジに柔らかくなるまでかけ、皮をむいて小さ目の一口大に切る。 2.フライパンを良く熱し、油を入れたらすぐに白身魚(鶏肉)を皮目を下にして入れ、きつね色になるまで焼く。ねぎも加えて焼き色をつけるよう焼く。 3.しめじを加えてさっと炒め、バターを加えて溶けたら小麦粉を入れて粉っぽさがなくなるまで炒める。《弱火》 4.豆乳を加えて《強火》、味噌と1を加えて一煮立ちさせて火を止め、器に盛ってとろけるチーズを散らし、オーブンかトースターで、焼き色がつくまで焼く。 青ねぎを散らして出来上がり。
まとめ
食事は楽しみの一つであり、それが 健康だけでなく心のケアにも繋がります。 特に高齢者にとっては、家族の温かい思いやりや楽しい雰囲気の中で過ごしたり 食事をする事は、なによりの楽しみの一つになり得ますね。 また、口から食べる、という事は 味覚だけではなく、視覚や嗅覚など 五感を使うので、脳の刺激にも繋がります。 噛むことで脳の活性化になったり 食べる事で胃腸の働きも活発になります。 できるだけ自分で噛んで食べれるよう、食材や調理に工夫しながら、 いつまでも 食べる事に興味を持ち、お元気で過ごさる事を願ってやみません。 食事メニューや 調理法など、お困りの事がございましたら なんなりとご相談下さいね。 親身になってご相談に応じます。