高齢者の食事で重要なポイント3選!健康寿命を延ばす秘訣と喜ばれるレシピ

高齢者食事
高齢者の方をおうちで介護する場合、一番気をつかうのは食事ですよね。

食事は毎日3食なので、献立を考えるのも大変だと思います。

栄養のバランス、食べやすさなど…

この記事では、高齢者の食事において重要なポイントをご紹介しながら、
健康寿命を延ばすための具体的なアドバイスと喜ばれるレシピをご提案します。

誰でも簡単に実践できる方法で、大切な家族の健康を守りましょう!

栄養バランスの取り方

高齢者の食事で最も大切なのが栄養のバランスです。

加齢に伴い体の機能が低下するため、
必要な栄養素をしっかりと摂取することが健康維持の鍵となります。

ここでは、高齢者に必要な主要栄養素、
食事のバリエーションを増やす方法、
そして低栄養を防ぐための食事プランについてお話しします。

高齢者に必要な主要栄養素

高齢者にとって特に重要な栄養素は、
たんぱく質、カルシウム、ビタミンD、
そして食物繊維です。

たんぱく質: 筋肉量の減少を防ぐために不可欠です。
 白身魚や豆腐、鶏肉などから摂取しましょう。

カルシウム: 骨を強く保つために必要です。
 魚からもカルシウムは摂れますが、吸収率の良いのは牛乳や乳製品です。
 乳製品が苦手なら 小魚や切り干し大根、豆腐などの豆製品もカルシウムが
 多いので、それらを積極的に取り入れてください。

ビタミンD: カルシウムの吸収を助ける働きがあります。
 ビタミンDは日光浴することも効果的ですが、魚やキノコからも摂取できます。

食物繊維: 消化を助け、腸の健康を保つために重要です。
 野菜や果物、全粒穀物を多く摂るようにしましょう。
 ただし、玄米などは固いため 消化が悪く、返って便秘になってしまう可能性があります。
 柔らかくおかゆ状に炊くなどの工夫が必要です。

食事のバリエーションを増やす方法

食事のバリエーションを増やすことは、
飽きずに栄養バランスの良い食事を続けることに繋がります。

野菜や果物を豊富に取り入れて、色とりどりの食材を使う事によって
見た目にも楽しい、おいしそうな食事になります。

また、煮る、焼く、蒸す、揚げるなど、
さまざまな調理法を使って食感や風味を変える事も
食事を楽しむ為に大切ですね。

新しいレシピに挑戦する等、同じ食材でも
レシピを変えるだけで新しい味わいが楽しめます。



このように、『食べる事を楽しむ』という事に意識をむける事で
自然と栄養バランスも取れ、食も進み 幸せなひと時となるでしょう。

低栄養を防ぐための食事プラン

低栄養は高齢者にとって大きな問題です。

高齢者は一度に沢山の量を摂れない方も多いため、
『一日三食しっかり摂る』『間食を活用する』事が大切です。

間食も 甘いおやつだけでなく カルシウムの摂れるヨーグルトや
たんぱく質の摂れるプリン、食物繊維の摂れるフルーツにするなどが
お勧めです。

また、誰かと一緒に食事をすることで食欲が増し、
楽しい食事時間を過ごすことができます。

できるだけ孤食にならないような雰囲気づくりも大切ですね。

食べやすさと安全性

高齢者は 加齢により噛む力や飲み込む力が衰えるため、
それらの点をしっかりと考慮することが必要です。

ここでは、噛みやすい・飲み込みやすい食材、
また 誤嚥を防ぐための調理法や 食事中の安全対策についても
解説しますね。

噛みやすい・飲み込みやすい料理

ミンチ状のもの:肉団子やハンバーグ、つくねなど
 肉や魚は ひき肉を使うと噛みやすく飲み込みやすいです。

ゼリー状のもの:ゼリーや水ようかん
 喉越しが良く食べやすいので、食欲がない時にもお勧めです。
 野菜をゼリーにしてサラダ替わりにするのも良いですね。

柔らかく煮こんだもの:シチューやカレー、野菜をじっくり煮た煮物などは
 消化も良く、量も食べられるのでお勧めです。

ポタージュ状のもの:コーンやじゃが芋のポタージュなど、ミキサーにかける事で
 滑らかで飲み込みがスムーズになります。

プリン状のもの:茶碗蒸しやプリン、卵豆腐などは食べやすく、消化にも良いです。

誤嚥を防ぐための調理法

誤嚥は高齢者にとって重大なリスクです。

高齢者はものを飲み込むときに使う筋力が衰える為、
飲み込む機能だけでなく、吐き出す機能も低下します。

調理法の工夫によってこれらをできるだけ回避するようにしましょう。

柔らかく調理する

野菜や肉は柔らかく煮るか蒸して、簡単に噛み切れるようにしましょう。

とろみをつける

スープや汁物にはとろみをつけることで、飲み込みやすくなります。

片栗粉や小麦粉、冷たいものならゼラチンを使ってとろみをつける事ができますよ。

食材を小さく切る

切り方を工夫するだけでも 飲み込みやすさが変わります。
みじん切りや すりおろすなど。

家族の食事と取り分ける時は、
出来上がった料理を高齢者用に取り分けて
 鍋やお皿の中で細かくハサミでカットする、
スティックミキサーにかけるなど 工夫しましょう。

食事中の安全対策

些細な事ですが、食事中は 以下の事に気を配るだけでも安全対策になります。

座位を保つ

食事中の姿勢は重要です。

特に高齢者は 誤嚥の可能性も高くなるので、
背筋を伸ばして座ることが重要です。

あごを引いて椅子に深く座り、
足が床につくようにしましょう。

食事のスピードを調整する

急いで食べると誤嚥のリスクが高まるため、
ゆっくりとよく噛んで飲み込むことを心がけましょう。

ゼリーやとろみの付いたものであっても
嚙みながら食べる習慣をつけられると誤嚥しにくくなります。

適度な休憩をとる

食事途中で水やお茶を飲むことで、
喉を潤しつつ 小休憩にもなります。

安全に食事を進めるためにも
食事はゆっくり時間をかけて摂るように心がけましょう。

健康寿命を延ばす秘訣

高齢者が健康で充実した生活を送るためには、
健康寿命を延ばすことが重要です。

病気になったり 寝たきりにならないためにも
日頃から 以下の点に気を配りましょう。

食事と適度な運動

健康寿命を延ばすために欠かせないのが
バランスの取れた食事と適度な運動です。

年齢を重ねるにつけ、代謝は落ちていきます。

その代謝をなるべく下げないようにするが
食事から摂る栄養であり、
運動で鍛えらる筋肉なのです。

筋肉量の維持や骨の強化になる
たんぱく質やカルシウム、ビタミンDをしっかり摂りながら
ウォーキングやストレッチを続けましょう。

定期的な健康チェック

定期的に健康診断を受けることで、早期に健康問題を発見し、適切な対策を取ることができます。

健康診断や血液検査の結果を元に、食事内容を見直したり

BMIや骨密度検査などを定期的に行い、
自分の栄養状態や健康状態を把握しましょう​。


ただ、結果を知るだけでは改善しません。

それをきっかけに、日々の生活習慣や食生活を改める事が大切です。

食事環境の整備

季節の飾り付けやテーブルクロス、音楽などを取り入れて
快適な食事環境を整えたり、食事を楽しむための演出をするだけで
気分は変わるものです。

また家族や友人と食事をする機会を増やす、
1人で食事する時も テレビを見ながら摂るのではなく
食事の時間をゆっくり楽しむようにしましょう。

高齢者に喜ばれる食事メニュー

高齢者にとって食事は健康維持のためだけでなく、
生活の楽しみでもあります。

ここでは、バランスの取れた主菜、食べやすい副菜、
そして栄養価の高いデザートについてご紹介します。

最後に 簡単に作れて美味しく、栄養もたっぷりの
お勧めのレシピもご紹介しますので、
是非取り入れて下さいね。

バランスの取れた主菜

◆鶏ひき肉のハンバーグ:
鶏ひき肉を使ったハンバーグは、柔らかくて食べやすく、
たんぱく質も豊富です。
野菜をすりおろして混ぜ込むことで、栄養バランスも向上しますよ。


◆魚のムニエル:
白身魚のムニエルは、軽くて消化に良い主菜です。
焼き魚とはひと味違う美味しさもあり、
ソースを変える事でバリエーションが広がります。


◆豆腐ステーキ:
豆腐を焼いて作るステーキは、低カロリーでたんぱく質が豊富です。
醤油ベースのソースやきのこソースをかけるとさらに美味しくなります。
ソースになるきのこや野菜は 豆腐に絡まりやすくなるよう
細かく切ったりとろみをつけましょう。

食べやすい副菜

副菜は野菜が中心なので、噛みやすくて消化しやすいものがお勧めです。

◆野菜の煮物:
大根やかぼちゃを柔らかく煮た煮物は、甘みがあって食べやすく、
ビタミンも豊富です。
煮えたものを いったん冷まして、再度温めると 
温度差で味がより沁み込み、味わいが出ます。
また、出汁を利かせる事で薄味でも美味しく戴けますよ。

◆白和え:
和え衣を 豆腐にする事で栄養価も高くなり、
他の具材をまとめてくれるので食べやすくなります。
中に入れる野菜は、細かく切ると安心ですね。

◆茶碗蒸し:
のど越しがよく、栄養豊かな茶碗蒸しは高齢者の方にも喜ばれます。
失敗のない作り方のレシピを後程ご紹介しますね。

栄養価の高いデザート

デザートやおやつは、栄養を補う役割も果たします。
甘くて美味しいだけでなく、健康にも良いものを選びましょう。

◆豆腐白玉ぜんざい:
白玉粉を豆腐で練ると、栄養化も高く フワフワモチッとした食感になって美味しいです。
甘さひかえめの小豆を添えると 高齢者の方にも喜ばれます。


◆りんごのコンポート:
生のままでは固くて戴きにくい時もコンポートにすると
柔らかく、沢山戴けます。
煮ると水分が飛んで甘みが凝縮するので、砂糖は加えなくても十分美味しいです。

お好みでヨーグルトをプラスしたり、甘みが少ない時はアイスクリームを
沿えましょう。

高齢者の方に喜ばれるお勧めレシピ

長芋のおぼろ蒸し

茶碗蒸しにとろろを入れた、のど越しよく栄養満点のレシピです。
【材料 4~5人分】
卵…2ケ
Aだし	…300cc
Aみりん・うすくち醤油…各小2
A塩…小1/6
A長芋(すりおろす)…50g

焼き穴子…	1本

しいたけ…4~5枚

うずら卵…4~5ケ

Bだし	…200cc
B酒・みりん・うすくち醤油	…各小1
B塩…小1/8
だし…大2
片栗粉	…小2

三つ葉(1~2㎝)…少々
柚子ごしょう…少々(お好みで)
【作り方】
1.	よく溶きほぐした卵とAを合わせる。

2.蒸し茶碗に焼き穴子、しいたけを入れ1の卵地を流して蒸す。

3.蒸し上がったらうずら卵を割り入れて蓋をして蒸らし、半熟にする。

4. Bを合わせて沸かし、だし溶きの片栗粉でとろみをつけてひと煮立ちさせる。
 3の茶碗蒸しにかけ、三つ葉をのせてお好みで柚ごしょうを添える。

まとめ

高齢者の食事においては、栄養バランス、食べやすさと安全性
そして健康寿命を延ばすための工夫が重要です。

主要栄養素を意識したバランスの取れた食事、
噛みやすく飲み込みやすい料理の提供、
食事中の安全対策を徹底することで、
より健康で充実した毎日を過ごせるようになります。

また、定期的な運動や健康チェック、
食事環境の整備も重要なポイントです。


高齢者の方が喜ぶレシピを取り入れることで
食事の時間が楽しみとなり、
生活の質も向上することでしょう。

これらのポイントを押さえて、家族全員で健康で幸せな生活を送りましょう。